給水方式
水道直結直圧方式
水道本管の水圧によって直接給水する。(ポンプなし、受水槽なし)☆☆☆☆
ポンプ式(水道直結増圧方式)に比べて、設備費が安価で、維持管理がしやすい☆☆
必要圧力の算定は、水道本管から給水する上で最も不利な状態にある水栓又は器具までの摩擦損失についても考慮する。
摩擦損失
水が給水管内を流れているときに、菅壁と水との間や、水内部で生じる摩擦抵抗によって生じる給水圧力の損失のこと。
水道直結増圧方式(ポンプ)
水道の給水引込管に増圧給水施設を直結する。(受水槽なし)
水道本管の水圧を利用できるため、省エネ効果が期待できる。
ポンプ直送方式(ポンプ + 受水槽)
受水槽を設け、給水ポンプにより給水する☆☆
水の使用状況に応じて給水ポンプの運転台数や回転数を制御する。
給水区分を1系統とする場合、下層階では給水管に減圧弁を設置して給水圧を調整する。
圧力タンク方式(ポンプ + 受水槽 + 圧力タンク)
高置水槽方式に比べて給水圧力の変動が大きい。
高置水槽方式(ポンプ + 受水槽 + 高置水槽)
高置水槽は建築物内で最も高い位置にある水栓器具などの必要圧力が確保できるような高さに設置する☆☆
水道直結増圧方式に比べ、給水引込管の管径が小さくなる☆☆(あまり圧力を必要としないから)
高置水槽へ給水する揚水ポンプの揚程は、実揚程、管内摩擦損失及び速度水頭(吐水口における速度水頭に相当する高さ)との合計で決定する。
給水の配管方式
上向き配管方式
最下階の天井内に主管を配置し、これより上方の器具へ上向きに給水する。
水道直結方式やポンプ直送方式に用いられる。
下向き配管方式
最上階の天井内に主管を配置し、これより下方の器具へ下向きに給水する。
高置水槽方式に用いられる。
さや管ヘッダ配管方式
さや管(配管)の中に本来の給水管を通す、二重構造の配管工法でヘッダ(分配器)から器具までの配管に継ぎ手を使用しない。
管の更新性に優れ、同時使用時の水量の変化が少なく、安定した給水ができ、湯待ち時間が短い☆☆
給水設備
設計用給水量
集合住宅:200~350ℓ/人☆
事務所ビル:60~100ℓ/人☆
事務所ビルにおける飲料水の受水槽の有効容量は1日当たりの予想給水量の1/3~1/2程度とする☆☆
給水圧力
シャワー:70kPa☆
大便器:70kPa☆
水栓
サーモスタット湯水混合栓
2ハンドル湯水混合栓に比べて、適温調整中の無駄な湯水の削減が可能であり、節水に有効である。
2ハンドル湯水混合栓
湯と水の2つのハンドルで温度と水量を調整するもの。
エアチャンバー
空気のクッションで水撃圧を吸収し、ウォーターハンマーの発生を防止する装置☆☆
ウォーターハンマー
水栓を急に閉めた時に高水圧で騒音や振動が生じる現象。
ウォーターハンマー防止にはエアチャンバーの設置が有効である☆☆
集合住宅の給水において、揚水ポンプから高置水槽への横菅の配管が長くなる場合は、ウォーターハンマー防止のため、その低層階で横引きを行う☆
給湯立て管の頂部にエア抜き装置を設置すると、管内騒音が低減できる。
給水管の結露防止
屋内の給水管には結露防止のために、保温材を用いて防露被覆を行う☆
受水槽のマンホール
受水槽に設ける保守点検のためのマンホールは有効内径60㎝以上とする。
給湯方式
局所式(ガス瞬間湯沸器)
元止め式のガス瞬間湯沸器
本体(元)でお湯を止めている湯沸器。
元止め式は給湯配管に接続できない☆(お湯の出口が1ヶ所のみで複数個所に給湯できない)
先止め式のガス瞬間湯沸器
水栓側(先)でお湯を止めている湯沸器。
給湯機から出た給湯配管の蛇口を開くと湯が出てくる。
中央式
単管式
給湯管のみのもの。
開栓後、しばらくは水が出る。
二管式
給湯管と返湯管の2系統を配管した給湯方式。
湯を循環させており、開栓後、すぐに湯が出る。
⇒ 短時間で出湯するのでホテル等で採用される。
給湯温度
レジオネラ属菌の繫殖を防ぐために、貯湯槽内の湯の温度を60℃程度に保つ必要がある☆ ☆☆
給湯設備
潜熱回収型ガス給湯器
燃焼排気ガスに含まれる排熱を回収して、 有効なエネルギーとして利用する給湯機。
密閉型燃焼器具
屋外の空気を燃焼に使用し、燃焼ガスを直接屋外へ排出する燃焼器具。
燃焼ガスを直接屋外へ排出するため、換気設備が不要となる。
BF方式
給排気のための気流を自然換気で行う。
FF方式
給排気のためのきりゅうをファンによって行う。
ガス瞬間式給湯器の能力表示
1号は毎分1ℓの流量の水を25℃上昇させる能力をいう。
20号 ⇒ 1分間で20ℓの水を25℃上昇させる
給湯循環ポンプ
配管内の湯の温度低下を防ぐために、湯を強制的に循環させるポンプ。
膨張管
温度上昇時の膨張を吸収するための加熱装置と膨張タンクをつなぐ管。
膨張管には、止水弁を設けてはいけない。(膨張した分の水の逃げ場がなくなり、破損する恐れがあるため)☆
給湯配管において、直線部の配管長をやむを得ず長くする場合は、配管の線膨張に対する配慮が必要となる。
ガス漏れ警報装置の検知器の設置位置(燃焼器からの位置)
LPガス(液化石油ガス)
LPガスは空気より重い。
・水平距離:4m以内
・床面上方:30㎝以内
都市ガス
都市ガスは空気より軽い
・水平距離:8m以内
・天井面下方:30㎝以内
大便器
サイホン式は先落とし式に比べて、溜水面が広く封水深が大きいため、汚物が水中に没入し、臭気の発散・汚物の付着が少ない。
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サイホン式
サイホン作用を起こさせて汚物を排出するタイプ。
先落とし式
水の落差による流水作用で汚物を押し流すタイプ。
ロータンク方式
洗浄用水を一時的に溜めておくタンクが備わる便器。タンクの上部に手洗いのついたものもある。
洗浄弁方式の大便器に比べて、給水管系を小さくすることができる。
洗浄弁方式(フラッシュバルブ)
給水管に直結し、給水圧力により便器を洗浄する。
タンクレス型様式大便器は設置個所の給水圧を確認する必要がある。
パブリックコンパクト便器・フラッシュバルブ式 | トイレ(パブリック) | 商品情報 | TOTO株式会社
水質汚染の防止
バキュームブレーカー
吐水した水又は使用した水の逆サイホン作用による汚水の逆流防止のために給水管に設けられた装置☆☆
吐水口空間を設けることができない衛生器具には、その器具のあふれ縁よりも高い位置にバキュームブレーカーを設ける。(✖自動空気抜き弁)
ホースなどが接続される給水栓には、一般的にバキュームブレーカなどの逆流防止装置を設ける。
ビル管理士総合情報.com「給水及び排水の管理5(印刷用)」
逆サイホン作用
水受け容器中に吐き出された水が、給水管内に生じた負圧による吸引作用により、給水管内に逆流すること。
吐水口空間
上水系統がタンクの水などの逆流によって汚染されるのを防ぐために、給水を大気に開放して縁を切るための空間。
給水栓の吐水口最下端からその水受け容器のあふれ縁の上端までの垂直距離。
ビル管理士総合情報.com「給水及び排水の管理5(印刷用)」
自動空気抜き弁(エアー抜き弁、エアベント)
液体配管に混入した空気を自動的に排出する弁(バルブ)。
クロスコネクション
飲料水(上水)の給水・給湯系統とその他の系統が、配管・装置により直接接続されていること☆☆☆☆☆
汚染防止のため、水道法によって禁じられている。
⇒ 飲料水用の高置水槽から配管した給水管には、屋内消火栓の消火管を直接接続してはならない。
⇒ 上水高置水槽と井水の雑用水高置水槽とを接続し、弁で切り離すことはクロスコネクションに該当する。
クロスコネクションの禁止について | 給水について | 今治市水道部
水
水の種類
上水
水道水などの飲用水や、温水洗浄便座の給水など、人が触れるところに供給する水。
水道(上水)の3要素は、適度な水圧、需要を満足する水量、水質基準を満たすこと。
中水
汚水を原水として雑用水の水質基準に適合するように処理した水。
使用は便所の洗浄水に限定する。
直接人体に触れる可能性があるところでは使用しない。
⇒ ✖植栽散水、噴水の補給水
⇒ 温水洗浄便座(ウォシュレット)の給水には上水を使用する。
下水
生活排水や産業排水、雨水などの汚水を終末処理場に集約し処理する施設全般の水。
残留塩素
上水道の給水管からの飲料水には所定の残留塩素を含まなければならない☆☆☆☆☆
水道水の遊離残留塩素は0.1㎎/ℓ以上とする。
排水
排水管
自然流下式の排水立て管の管径は、上層階から下層階までどの階においても、最下部の最も大きな排水負荷を負担する部分の管径と同一にする必要がある☆☆☆☆☆
排水管のトラップの破封防止や円滑な排水のために設ける通気管の大気開口部においては、害痛などが侵入しないように防虫網を設ける必要がある。
飲料水用の受水槽の水抜き管は、一般排水系統の配管等へ、排水口空間を介した間接排水とする。
重力式の排水横主管や排水横枝管などの排水横走管には、管径に応じて1/50~1/200の勾配が必要。
間接排水
器具からの排水配管を一旦大気中で縁を切り、その後一般排水管に接続するもの。
逆流や臭気等の侵入防止を目的とする。
飲料水用受水槽のオーバーフロー管や飲料用冷水器の排水は、一般排水系統の配管に間接排水とする。(逆流すると衛生上問題が発生するため)☆☆☆
×飲料用受水槽のオーバーフロー管は、一般排水系統の配管に直接接続する
公共下水道における排水方式の区分
合流式下水道
汚水と雨水を同じ管で排水する。トラップますが必要。
分流式下水道
汚水と雨水を別々の管で排水する。トラップますが不要☆☆
トラップ
水まわりの臭気などの逆流を防ぐために排水設備に設けられる構造や器具。
使用頻度の少ないトラップに生じる蒸発作用の防止策として、封水の補給装置等が有効。
ディスポーザ排水システム
ディスポーザで粉砕した生ごみを含む排水を、専用の排水配管及び排水処理装置で処理してから下水道に流すもの。
居住者の生ごみ破棄の負担軽減や清潔性向上の効果がある。
ディスポーザ
キッチンの排水口(シンク下)に設置される生ごみ粉砕機。
合併処理浄化槽
し尿(トイレから出る汚水)と生活雑排水(台所・風呂場・洗面所から出る汚水)を一緒に処理する浄化槽。
定期的な点検や、たまった汚泥のくみ取りが可能な場所に設ける。
合併処理浄化槽(がっぺいしょりじょうかそう)を紹介(しょうかい)します。:熊谷市ホームページ
まとめ
トイレとか身近な設備だけど、知らないことはたくさんあるな。
- 給水方式の違いをチェック
- 「排水設備」、「建築設備」として出題されるところもあるので併せて確認