- 木材
- 木工事
- 軸組み
- 胴差(どうさし)
- 胴縁(どうぶち)
- 屋根組み
- 天井組み
- 柱
- 通し柱・管柱
- 筋かい
- 床組み
- 継手
- 追掛け大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)
- 腰掛け鎌継ぎ
- 腰掛け蟻継ぎ
- 仕口(しぐち)
- 金物
- まとめ
木材
心持ち材(しんもちざい)・心去り材(しんさりざい)
- 心持ち材:樹心を含んだ材 ⇒ 背割りを入れる
- 心去り材:樹心を含まない材 ⇒ 背割りは入れない
心持ち材は腐りにくく強度があり、土台や柱などの構造材に使用される。
心持ち材は心去り材に比べ、ひび割れが起きやすいので、あらかじめ背割りを入れて防ぐ。
心去り材は、乾燥しても割れが入りにくく、柾目の面が美しいので、見栄えが大切な場所に使用される。
背割り
あらかじめ材の背面を樹心までで切り目を入れ、乾燥による割れを防ぐこと。
ヒノキやスギなどの木材は、丸太や柱の心持ち材をそのまま乾燥させるとひび割れが生じるため、あらかじめ背割りを行う。
柾目(まさめ)・板目(いため)
- 柾目:年輪に対して垂直に切り取った面で、木目がまっすぐな縦縞
- 板目:年輪に接する方向に切り取った面で、木目が不規則
製材のしかたによって、板の表面が柾目や板目となる。
柾目板の方が割れにくく、狂いにくい。
木表(きおもて)・木裏(きうら)
- 木表:樹皮に近い側
- 木裏:樹心に近い側
木表は木裏に比べて組織が新しく水分が多いため、乾燥時に木裏よりも大きく収縮する。表面側に木表を使うのが原則で、天井板は木表を下に、床材は木表が上になる。
末口(すえくち)・元口(もとくち)☆
- 末口:木の枝葉(上)だった方
- 元口:木の根元(下)だった方
木材を縦に使う柱は元口を下にする(生えていたときと同じ状態)
背・腹☆☆☆☆☆
- 背:反りのある材の凸側 ⇒ 梁、桁(天井側)では背が上
- 腹:反りのある材の凹側 ⇒ 大引(床下側)では腹が上
梁などの横架材は、たわまないように背を上向きに使用する。
床下の大引の場合は、背を上向きにすると床束が持ち上がるような力が働いてしまうため、腹を上に背を下側に向けて使用する。
合板
木材を薄くむいた1.0~5.5㎜の単板を繊維方向に1枚ごと交差させ、奇数枚を接着剤で張り合わせて1枚の板としたもの。
木材保存剤
木材の防腐処理に用いる木材保存剤は、人体への安全性及び環境への影響について考慮した表面処理用木材保存剤を使用し、十分に乾燥させ、2回塗りする☆
ひのき
軽く軟らかい木材で、高湿環境にも強い。ヒノキ風呂として有名。
- 窓、出入口等の水掛り部で、乾きにくい部分に使用する木材はひのき(心材)とする。
木工事
大壁造(柱は隠す)
木造住宅の壁の造り方の一つで、洋室などに多く使われる、柱を見せずに仕上げる方法。
柱にボードなどを張って下地とし、壁紙などで仕上げる。
- 大壁造において、耐力壁下部のアンカーボルトの位置は、その耐力壁の両端の柱心から200㎜以内とする☆☆☆
- 1階及び2階の上下同位置に大壁造の面材耐力壁を設ける場合は、胴差部分における構造用面材相互間に6㎜以上のあきを設ける。
【解説】 ⇒ 目指せ!建築士「濱崎塾」|カリスマ講師の学習アドバイス|日建学院
真壁造(柱を見せる)
構造躯体として使う柱を見せて、柱と柱の間に壁を納める方式。柱が空気に触れるため、防腐面ではメリットがあるが、耐久性を上げるための筋かいを入れにくいのが難点。
- 真壁造における側桁階段の側桁と軸組との取合部において、柱及び胴差を欠取り、あるいは相欠きとする。
面材耐力壁
構造用合板やプラスターボードなどの面材で構成されている耐力壁の総称。
面材耐力壁において、構造用合板を用いる場合☆
- 構造用合板の厚さ7.5㎜以上
- N50の釘で留付け間隔を150㎜以下
釘接合☆☆☆☆☆☆
胴部径(釘径)は、板厚の1/6以下、かつ、
釘の長さは板厚の2.5倍以上とする。
⇒ 厚さ15㎜の板材の留付けに、胴部径2.15㎜、長さ38㎜の釘を使用した
・釘径:15㎜ ✖ 1/6=2.5㎜以下
・長さ:15㎜ ✖ 2.5=37.5㎜以上
建入れ直し後の建方精度
建方精度の許容値は、垂直・水平ともに誤差の範囲を1/1,000以下とする☆
鴨居(かもい)と敷居
鴨居:障子や襖など、引き戸の上枠
敷居:障子や襖など、引き戸の下枠
- 敷居の戸溝の底には、「かし」などの堅木(堅い木)を埋め木する。
- 敷居や鴨居は、木表(きおもて)に溝を彫って取り付ける☆☆☆☆
(乾燥すると木表が凹になる傾向があるため)
埋め木
木材についた抜け節や疵、釘穴などに木片で栓をする作業、また充填する木片。
敷居などに耐摩耗性が大きく「かし」などの堅木を埋めきすることで、敷居の耐久性を高めることができる。
軸組み
土台・柱・桁・筋違いなどから構成される建物の主要部の骨組み。
構造材に用いる製材の品質は、JASに適合する構造用製材若しくは広葉樹製材、又はこれらと同等以上の性能を有するものとする。
出展:木造軸組工法 | 名古屋市緑区の不動産会社「ブラザー不動産」|建売・土地情報を一覧で紹介
軸組に短材を使用する場合の長さの限度☆☆☆
- 土台 ⇒ 1m程度
- その他の部分(桁等) ⇒ 2m程度
胴差(どうさし)
上下階の間に入れる横材。
胴縁(どうぶち)
壁の板張りやボード張りなどを受けるための下地部材。
- せっこうラスボード張り用の壁胴縁の間隔は、450㎜程度とする☆
(せっこうボードの場合は300㎜程度)
せっこうラスボード
孔あきの石こうボード。
通気胴縁
外壁に通気層を設けるために施工される胴縁。
- 厚さ:18㎜以上
- 幅:45㎜以上
出典:通気胴縁 | PYRAMID 健康で安らぎのある住まい作り
屋根組み
出典:LIXIL|リフォーム|リフォーム用語集|工法・構造|木造|垂木とは
- 外気に通じる小屋裏の外壁部分や天井裏は断熱構造としなくてもよい。
梁
梁は、背(凸側)を上にして取り付ける☆☆☆☆
梁には「あかまつ」、「くろまつ」、「えぞまつ」、「べいまつ」、「すぎ」、「ひのき」、「べいつが」等を使用する☆
小屋梁
小屋組の一番下に水平にある部材で、垂木と平行に用いられる梁。
出典:LIXIL|リフォーム|リフォーム用語集|工法・構造|木造|小屋梁とは
天井組み
出典:LIXIL|リフォーム|リフォーム用語集|工法・構造|天井下地|野縁・板野縁とは
吊木
天井などを吊る為に用いる材で、上部は小屋梁・床梁(床を支えている梁)などに固定した釣木受けにとりつける。
野縁
天井板などを張るための下地の骨組となる細長い角材。吊木にとりつける。
野縁受け
野縁の上に取付け、支える細長い下地材。
柱
- 柱は、元口を土台側(下側)にして取り付ける。
⇒ 末口は上にして用いる - 柱には、背割りを入れた心持ち材を使用する☆☆☆
- 独立化粧柱には、心去り(樹心を持たない)の四方柾材を用いる。
⇒ 独立化粧柱は表に見えるため、見た目が大切!
独立柱
周囲に壁を付けていない1本だけ立っている単独柱。
化粧柱
壁の中に隠れずに、表に見えてくる柱。
四方柾柱(しほうまさばしら)
木口の対角線が樹芯に対してほぼ直角になるように木取りされた角材の柱。
4つの木面がいずれも柾目であるのが特徴で、最高級品。
通し柱・管柱
出典:LIXIL|リフォーム|リフォーム用語集|工法・構造|木造|管柱とは
通し柱
土台から軒まで一本で通っている柱。
通し柱と胴差は「かね折り金物」で接合☆☆☆
管柱(くだばしら)
土台から軒まで一本で通っていない、途中の桁などで中断されている柱。
管柱と胴差は「かど金物」や「山形プレート」で接合。
筋かい
柱と柱の間に斜めに入れて建築物や足場の構造を補強する部材。
- 「厚さ30㎜以上、幅90㎜以上の木材による筋かい」と「筋かいプレート」の留付けには、「長さ65㎜の太め鉄丸釘」と「径12㎜の六角ボルト」とを併用する。
- 筋かいと間柱が取り合う部分については、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取り釘打ちする。
床組み
出展:LIXIL|リフォーム|リフォーム用語集|工法・構造|床組|根太とは
大引(おおびき)
最下階で根太を支える水平材。
大引は腹(反りのある材の凹側)を上端にして使用する。
大引の継手☆☆☆☆
- 束心から150㎜程度持ち出し、
- 腰掛け蟻継ぎ、
- 釘2本打ち、とする
✖ 大引の継手は、その位置の床束心とした
根太(ねだ)
床板を支えるため、床の下に渡す横木。
- 和室の畳床において、根太の間隔は450㎜とする(継手位置は乱)☆☆☆
- 構造用面材による床組みの補強において、根太、床梁及び銅座の上端高さが同じ場合、根太の間隔を500㎜以下とする☆☆☆
床板(ゆかいた)
- 床板は、木表を上して取り付ける☆
⇒ 木表の方がきれい! - 外気に接する床の断熱材の施工において、屋内側の材料との間に隙間が生じないように、受材を設ける。
根太を設けた床組の床下地板
- 構造用合板:厚さ12㎜以上
- パーティクルボード:厚さ15㎜以上☆
- 構造用パネル
根太を設けない床組の床下地板
- 床下地材として24㎜以上の構造用合板を用いる。
土台
柱を支え、荷重を基礎に伝える部材で、基礎の上にアンカーボルトで固定される。
土台には腐食に強い「ひのき」、「ひば」、「けやき」等を使用する☆
基礎と土台とを緊結するアンカーボルトの埋込位置
- 耐力壁の両端の柱の下部付近
- 土台継手・土台仕口の上木の端部
- 筋かいが取り付く柱の下部
- 土台切れの箇所
継手
同じ方向の部材を接合し長さを増す方法、またはその接合部。
野縁の継手
野縁受桟との交差箇所を避け、継手位置を乱にし(ずらして)、添え板を両面に当てて、釘打ちとする。
仕上材の縁甲板(えんこういた:フローリング)張りの継手
受材心で突合せ、乱に継ぎ、隠し釘打ちとする。
✖ 受材の心で通りよくそろえた
小屋梁の継手
柱から持ち出して、追掛け大栓継ぎとする。
土台の継手
「腰掛け鎌継ぎ」もしくは「腰掛け蟻継ぎ」とする。
追掛け大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)
上木、下木のすべり込み部分には、1/10程度のすべり勾配を持たせ、二つの木材を引き寄せ、胴付き部分が密着するように大栓を用いる継手。
腰掛け鎌継ぎ
男木の頭が「蛇の鎌首」の形をした継手。
腰掛け蟻継ぎ
男木の頭が「蟻の頭」の形をした継手。
「土台」の継手として使用。
画像出典:http://monotsukuri.net/wbt/wbt_tsugite/
仕口(しぐち)
異なる方向の部材を接合する方法、またはその接合部。
相欠き(あいがき)
角材などを互いに半分ずつ欠きとって、切り取った部分を繋ぐ継手、仕口の方法。
傾ぎ大入れ短ぼそ差し(かたぎおおいれたんほぞさし)
通し柱(縦)に胴差(横)との仕口。
大入れ蟻掛け
梁(横)と胴差(横)との仕口。
かぶと蟻掛け
「かぶと」は梁が落ちないように上にかぶせる仕口。
屋根勾配に合わせて、垂木の通る道を彫る。
- 小屋梁と軒桁との仕口は、かぶと蟻掛けとし、羽子板ボルトで緊結した。
金物
ひねり金物(≒折曲げ金物)☆☆
「垂木」と「軒桁」の接合に用いられる。
くら金物
「垂木」と「軒桁、母屋」の接合に用いられる。
羽小板ボルト☆☆☆☆☆☆
- 「小屋ばり」と「軒桁」
- 「柱」と「軒桁」
- 「通し柱」と「胴差」との連結等に用いられる。
⇒ 〇 胴差と通し柱との仕口(しぐち)の補強に羽子板ボルトを用いた
かね折り金物☆☆☆☆
「通し柱」と「胴差」の接合に用いられる。
火打金物
小屋組の隅角部の補強。
短ざく金物
「上下階の柱相互」の接合
「胴差相互」の接合
筋かいプレート☆☆☆
「柱」と「筋かい」と「軒桁(土台)」を同時に接合するのに用いられる。
かど金物☆☆☆☆☆
「引張りを受ける柱」と「土台又は横架材」との接合に用いられる。
山形プレート
「柱」と「横架材(土台・梁)」の接合部に用いられる☆
柱と土台との接合部を山形プレートで補強する個所については、その部分の構造用合板を最小限切り欠き、切り欠いた部分の周辺に釘を増し打ちする☆
引き寄せ金物(ホールダウン金物)☆☆☆
・「柱」と「基礎(土台)」
・「菅柱相互」の緊結に用いられる。
まとめ
専門用語のオンパレードでまとめるのが大変だった。
毎年1問出題されるが、出題範囲がかなり広いため、建築士としては知っていないといけないだろうけど、試験対策的にはあきらめてもいい分野な気がする。。(あるいは後回しに)
いずれにせよここの分野の知識を深めるのにはかなり時間が掛りそう。
…とか言ってたら、最近2問出題されるようになっていた。あれま。
-
大引の継手は、「束心から150㎜程度持ち出し」、「腰掛け蟻継ぎ」
- 釘径は板厚の1/6以下、釘の長さは板厚の2.5倍以上
-
梁、桁(天井側)は背が上、大引(床下側)では腹が上
- 根太の間隔は、とりあえず450㎜程度
- かね折り金物は「通し柱」と「胴差」の接合に用いられる。