日射
全天日射量
「直達日射量」+「天空日射量」
直達日射量☆☆☆☆☆☆☆☆☆
太陽から直接地表に達する日射量。
夏期:水平 > 東西 > 南 > 北
冬期:南 > 水平 > 東西 > 北
南向きの日照時間は春分の日と秋分の日が最も長い(日照時間と日射量のピークは異なる)
北向きの鉛直壁面は、秋分の日から春分の日までの半年間は、直達日射が当たらない。
8月中下旬の南と東西はほぼ同等量。
天空日射量
直射ではない、拡散されて地表に達する日射量。晴れより曇りの日の方が多い。
大気透過率が高くなるほど減少する☆☆☆☆
大気透過率
太陽光線が通過する割合。
冬期より夏期の方が小さい。(冬期の方が水蒸気が少ないから)
日照率
可照時間に対する日照時間の割合。
可照時間
日の出から日没まで。
天候や障害物の影響を受けない。
日照時間
実際に日照があった時間
昼光率
全天空照度に対する、室内におけるある点の昼光による照度の割合。
- 昼光率 = (室内の明るさ/全天空照度)× 100(%)
室内におけるある点の昼光率は、全天空照度が変化しても変化しない☆☆
(全天空照度が変化すると部屋の明るさも変化するから)
×昼光率は、全天空照度が大きいほど高い
昼光率は、窓からの距離が遠いほど低くなる☆
昼光率は、室内の壁や天井の表面の反射の影響を受ける。
全天空照度
直射光を除いた天空光だけの水平面照度。
天候や時間によって変化する(晴天より薄曇りのほうが明るい)☆
冬期の北向きは直射光がなく天空光だけなので、晴天時より薄曇りの時のほうが室内の照度は高い。
採光性能
室内の採光性能を評価する場合は、直射日光は除き、天空光のみを対象とする。
遮光
日射遮蔽係数
太陽光線の流入熱量を表す数値。
値が大きいほど日射の遮蔽効果が小さい☆☆☆☆☆☆
夏期の日射による熱負荷は、西鉛直面の窓より南鉛直面の窓のほうが小さい。
⇒冷房負荷は、開口部を南面に設けるより西面に設けるほうが大きい。
ルーバー、庇(ひさし)、ブラインド
水平ルーバー、庇:太陽高度が高い南面に効果的☆☆☆
縦型ルーバー:太陽高度が低い西面に効果的
日射熱をブラインドによって防止する場合、窓の屋内側より窓の屋外側に設けるほうが効果的。
太陽高度
太陽高度は南中時(正午)が最も高い。
緯度が同じ場合、同日の南中時の太陽高度は等しい。〇
緯度が異なる場合、南中時の太陽高度は北に位置する方が低い。
経度及び緯度の異なる地点であっても、冬至と夏至の南中時の太陽高度の差は等しい(48度)☆☆
北緯35度地点付近における南中時(正午)の太陽高度☆☆☆☆
- 夏至 ー 約78度
- 春分・秋分 - 約54度
- 冬至 - 約30度
隣棟間隔
建物と建物の間隔のこと。
緯度が低い地域ほど、隣棟間隔を小さくできる。
⇒ 経度が高い(赤道から遠い)⇒ 太陽高度が低い ⇒ 北側に影が伸びる
⇒ 隣棟間隔を大きくとる必要がある
その他
明順応・暗順応
目が周囲の明るさや暗さになれること。
明順応に要する時間に比べて、暗順応に要する時間の方が長い。
色温度☆
その光色の色度に近似する色度の光を放つ黒体の絶対温度で表される、色をあらわすための尺度。
- 色温度が高い ⇒ 白く青みを帯びる
- 色温度が低い ⇒ 黄色から赤みを帯びる
均斉度
室内の照度分布状態の均一性を表す指標。
照度の均斉度が高い(1に近い)ほど、室内の照度分布は均一になる☆
推奨照度
住宅の居間:150~300lx
寝室における読書時:300~750lx
細かい視作業:1,000lx☆
演色
照明光が色の見え方に及ぼす影響や光源の性質(物体表面の性質ではない)☆☆☆
演色評価数
演色性を表す値。
数値が大きくなるほど、光源の特性が自然光に近い☆☆☆
タスク・アンビエント照明
環境照明は「全般照明」、作業場所は「局部照明」で行う併用方式☆☆
全般照明の照度は、局部照明の照度の1/10以上とすることが望ましい☆
パッシブソーラーハウス
機械を用いずに自然の利用や建物自体の工夫によって集熱・蓄熱をする方式。
ダイレクトゲイン方式
窓から入射する日射熱を直接、床や壁に蓄熱し、夜間時に放熱させる方式。
室内の熱容量を大きくしたほうが冬期における太陽熱の利用効果が高い。
熱容量
熱を蓄えることができる量。
熱容量が大きい建物は、熱しにくく冷めにくい。
トロンブウォール方式
ガラスのすぐ内側に壁を設け、その壁を蓄熱体として日射熱を蓄えて室内に放熱する方式。
まとめ
最近は他のジャンル(光・色彩、照明とか)と合わせて出題されることが多い。
- まずはしっかり直達日射量の表の内容を覚えておく。
- 天空日射量は、大気透過率が高くなるほど減少する。
- 昼光率は、全天空照度が変化しても変化しない。
- 日射遮蔽係数は、値が大きいほど日射の遮蔽効果が小さい。