独学で二級建築士資格取得を目指す! -コンクリート(強度・その他)-
セメント
石灰石や粘土などを混ぜて焼いた「クリンカ」に石膏(せっこう)を加え、粉末状にしたもの。
水との反応によって強度が増大する水硬性材料☆☆☆
×気硬性材料
ポルトランドセメント
普通ポルトランドセメント
最も普通のセメント。
凝固時間を調整するためにせっこうが混合される☆
中庸熱ポルトランドセメント
普通ポルトランドセメントに比べて、水和熱や乾燥収縮が小さく、ひび割れが生じにくい☆
使用例:高層建築や大スパン建築の高強度コンクリート
早強ポルトランドセメント
普通ポルトランドセメントに比べて、より細かい粉末で、水和熱が大きいので、早期に強度を発現する。
⇒ 水和熱が大きいため、マスコンクリートや高強度コンクリートには使用できない。
高炉セメント
普通セメントに高炉スラグ微粉末を混合したもの。
- 高炉スラグ微粉末を使用することにより、水密性や化学抵抗性を向上できる☆
- (B種、C種)初期強度が小さく、長期強度は大きい☆
- (B種)普通ポルトランドセメントに比べて、アルカリシリカ反応抵抗性(化学抵抗)に優れている☆
使用例:海水の作用を受けるコンクリート
混和剤
AE剤(Air Entraining Agent:空気連行剤)
AE剤の効果
- ワーカビリティが良好になる☆
- 凍結融解作用に対する抵抗性が大きくなる(耐凍害性が増大)☆☆☆☆☆☆
- 空気量が増大
- 単位水量を低減する ⇒ ブリーディングを制御できる
フライアッシュ
石炭を燃焼する際に生じる灰の一種。
コンクリートのワーカビリティを良好にするが、中性化速度は速くなる☆☆
膨張剤
硬化後のコンクリートの乾燥収縮によるひび割れを低減できる☆
流動化剤
硬化後のコンクリートの強度や耐久性に影響を及ぼさずに、打込み時のフレッシュコンクリートの流動性を増大させる混和剤。
コンクリート
- コンクリートの水素イオン濃度(pH)は、12~13程度のアルカリ性を示すので、鉄筋の腐食を抑制する効果がある。
⇒ コンクリート中の水和生成物(水酸化カルシウム)が空気中で二酸化炭素と反応することにより、主に炭酸カルシウムが生成され、コンクリートのアルカリ性が失われる(中性化)☆ - コンクリートの乾燥収縮は、乾燥開始材齢が遅いほど小さくなる。
骨材
- 骨材の粒形は、均一であるよりも、小さな粒形から大きな粒形までが混ざり合っている(均一ではない)ほうが望ましい☆☆
- 実績率が大きい粗骨材ほど、同一スランプを得るための単位水量を小さくすることができる。
コンクリートの養生
養生中の温度が高いほど☆
- 初期材齢の強度発現が早い
- 長期材齢の強度増進は小さい
コンクリートの養生期間☆
養生期間 | 普通ポルトランドセメント | 高炉セメントB種 |
短期、標準 | 5日以上 | 7日以上 |
長期 | 7日以上 | 10日以上 |
⇒ 高炉セメントB種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントに比べて、長期の湿潤養生期間が必要となる☆
コンクリートの強度
圧縮強度☆
圧縮荷重に対して、供試体が持ちこたえることができる最大応力。
圧縮強度(N/㎟)=最大荷重(N)/断面積(㎟)
コンクリートの調合設計
「調合強度」>「調合管理強度」>「品質基準強度」>「設計基準強度、耐久設計基準強度」
コンクリートの構造
プレキャスト鉄筋コンクリート構造
あらかじめ工場などで製作した鉄筋コンクリート製の部材を現場で組み立てて作る構造。
プレストレストコンクリート構造
PC鋼材によって計画的にプレストレスを与えたコンクリート部材を用いた構造☆
コンクリートの現象、ひび割れ
アルカリシリカ反応(アルカリ骨材によるひび割れ)☆☆☆☆
骨材が、セメントペースト中に含まれるアルカリ成分が反応し骨材が膨張して、コンクリートに亀甲状ひび割れが生じる現象。
【事例】
竣工後3年を経過した建築物において、屋外の耐震壁に亀甲状に発生し、周囲の柱・はりに材軸方向に発生。
ブリーディング(沈みひび割れ)☆☆☆
コンクリート打込み後、コンクリートが固まる前に水分が分離して浮かび上がってくる現象。
ブリーディングにより、梁やスラブの上面各所に、鉄筋に沿って、沈みひび割れが生じることがある。
【事例】
コンクリートを打設した数時間後、はりやスラブの上面各所に、鉄筋に沿って直線状に発生。
エフロレッセンス(白華)
コンクリート中の炭酸カルシウムなどがコンクリートの表面に析出した、白色の物質。
コールドジョイント
先に打ち込んだコンクリートと、後から打ち込んだコンクリートとが一体化せずに継目ができること。
- コンクリートジョイントを防止するためには、先に打ち込まれたコンクリートの凝結が始まる前に、次のコンクリートを打ち重ねる必要がある☆☆
クリープ☆☆☆
一定の外力が継続して作用したときに、時間の経過とともにひずみが増大する現象。
プラスチック収縮ひび割れ☆☆
コンクリートが固まる前に、コンクリー表面が急激に乾燥収縮することにより生じるひび割れ。
付着ひび割れ
かぶり厚さの不足などにより腐食した鉄筋が膨張し、主筋や帯筋に沿って生じるひび割れ。
【事例】
海岸近くの展望台の床スラブの下面に、竣工後5年を経過したところから、下端鉄筋に沿ってひび割れが発生。
水和熱によるひび割れ
コンクリート硬化時に発生する水和熱により、大断面に生じるひび割れ。
【事例】
コンクリートを打設した1週間後、大断面の地中梁の側面に数メートル間隔で鉛直に発生。
基礎の不同沈下(せん断ひび割れ)
不同沈下等によって柱や梁に生じたせん断力が原因で、斜め45度のひび割れが生じることがある。
【事例】
竣工後2年を経過した建築物の室内の耐震壁に、斜め45度方向に著しく発生し、徐々に進行。
まとめ
セメントとコンクリートの違いなんて、素人は考えたこともなかった。
- セメントは水硬性材料☆☆☆
- AE剤を入れると、凍結融解作用に対する抵抗性が大きくなる(耐凍害性が増大)☆☆☆☆☆☆
- 高炉セメントB種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントに比べて、長期の湿潤養生期間が必要となる☆
- 圧縮強度(N/㎟)=最大荷重(N)/断面積(㎟)