独学で2級建築施工管理技士合格を目指す! その27 -コンクリート工事(躯体工事)-
コンクリートの調合
コンクリートに含まれる塩化物は、原則として塩化物イオン量で0.30kg/m3以下とする。
川砂利と砕石は、それぞれが所定の品質を満足していれば、混合して使用してもよい☆
水セメント比
水(w)とセメント(c)の重量の比率w/c(%)のこと。
水セメント比が小さいほど乾燥収縮は小さく、強度は大きくなるが、流動性が低くなり、打ち込みが困難に(ワーカビリティが悪く)なる。
耐久性を確保するためには、水セメント比は小さいほうがよい。
単位水量
コンクリート1立方メートルあたりの水の質量。
単位水量は、最大値を185kg/m3とし、所定の品質が確保できる範囲内で、できるだけ少なくする。
単位水量が大きくなると乾燥収縮によりひび割れが起きる。
単位セメント量
コンクリート1立方メートルあたりのセメントの質量。
単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からは、できるだけ少なくする☆
ただし単位セメント量が少なすぎると、コンクリートのワーカビリティーが悪くなる。
細骨材率
コンクリート1㎥あたりの細骨材(砂)と全骨材(砂と砂利)の比率で、コンクリートのワーカビリティー(作業の容易さ)に影響する。細骨材率を小さくすると、骨材の表面積の総和が少なくなり、コンシステンシー(変形や流動に対する抵抗)を得るための単位水量を減少できるため、経済的なコンクリートを得ることができる。
乾燥収縮によるひび割れを少なくするためには、細骨材率を小さくする☆
スランプの大きいコンクリートでは、細骨材率が小さすぎると分離しやすくなる。
細骨材率が大きすぎると、
⇒ 所定のスランプを得るための単位水量を多く必要とする。
⇒ 単位水量及び単位セメント量が増大する。
スランプ
コンクリートの流動性(やわらかさ)の程度。
現場到着時に検査をしてその値を計測するので、工場ではなく、現場到着時での値を指定する。
×スランプは、工場出荷時における値を指定する。
AE減水剤
AE剤と減水剤の効果を併せ持つ混和剤。
AE剤:コンクリートの流動性が改善されワーカビリティがよくなる。
減水剤:コンクリートの流動性を保ち、単位水量を減らすことができる。
- AE減水剤を用いると、所定のスランプを得るのに必要な単位水量を減らすことができる☆
- 高強度コンクリートには、高性能AE減水剤を使用するのが有効である。
コンクリートの養生
打込み後、少なくとも1日間はそのコンクリートの上で歩行又は作業をしないようにする。
コンクリートの打込み後の養生温度が過度に高いと長期材齢における強度増進性が小さくなるとともに、温度ひび割れの発生を誘発する。
×打込み後の養生温度が高いほど、長期材齢における強度増進性が大きくなる。
湿潤養生
コンクリートを湿潤状態に保ち、表面が急速に乾燥しひび割れするのを防ぐため、打設後、水分を供給して強度の発現を促す最も一般的な養生方法。
湿潤養生は、コンクリートを打設してから最低5日間行う必要がある。
湿潤養生には、湛水養生、散水養生、湿布養生などがある。
打込み後、直射日光等による急速な乾燥を防ぐための湿潤養生を行う。
打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてよい。
湿潤養生期間の終了前であっても、コンクリートの圧縮強度が所定の値を満足すれば、せき板を取り外すことができる。
寒中コンクリート工事
凍結の危険性がある期間にコンクリートを打設する施工方法。
気温の目安としては4℃以下。
寒中コンクリート工事の加熱養生中は、コンクリートの急激な乾燥によりひび割れることがあるため、散水を行うなどして湿潤状態を保持しなければならない。
×寒中コンクリート工事における加熱養生中は、コンクリートの湿潤養生を行わない。
早強ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメントよりも早く強度を発現するセメント。
普通ポルトランドセメントが3日かかるのに対し、早強ポルトランドセメントは1日で強度を発現するため、湿潤養生期間が短くできる☆
また、低温環境でも強度を発現する。
ポイント
単位水量が大きくなると乾燥収縮によりひび割れが起きる。
単位セメント量が少なすぎると、コンクリートのワーカビリティーが悪くなる。
単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からは、できるだけ少なくする。
細骨材率は、乾燥収縮によるひび割れを少なくするためには、高くする。
乾燥収縮によるひび割れを少なくするためには、細骨材率を小さくする。
参考テキスト
写真、イラストが多く、僕的には非常にわかりやすいオススメの一冊です。