用語
軟木(やわぎ)☆☆
スギやヒノキなどの針葉樹で、加工がしやすく構造材に適している。
丸身
緑に樹皮の部分等が存在する製材品。
目切れ
製材品の繊維方向が、長さ方向に平行ではなく、木目が途切れること。
木材の耐力性能を低下させる欠点となる。
背割り
あらかじめ材の背面を樹心まで切り目を入れ、乾燥による割れを防ぐこと。
背割りは、心持ち材の乾燥に伴って生じる割れの防止に有効。
加圧式防腐処理木材☆☆
木材防腐剤を、加圧注入した木材。
加圧式防腐処理木材は、現場で切断加工した場合、加工した面を再処理して使用する。
心材・辺材
心材
樹幹の中心部で、辺材よりも腐朽やシロアリ被害に強く、腐りにくく、耐久性が高い☆
辺材
樹幹の外側の特異な着色がなく、立木の状態で含水率が高い部分。
心材に比べて、腐朽しやすい。
柾目(まさめ)・板目(いため)
柾目
年輪に対して垂直に切り取った面で、木目がまっすぐな縦縞
板目
年輪に接する方向に切り取った面で、木目が不規則
板目材は、乾燥すると、木表側に凹に変形する☆☆☆☆☆
木表・木裏
木表:樹皮に近い側
木裏:樹心に近い側
生節・死節
生節
枝が生きている状態で、樹幹に包み込まれてできた節で、まわりの組織と連続性がある。
死節
枝が枯れた状態で、樹幹に包み込まれてできた節で、まわりの組織と連続性がなく、大きな欠点となる部分。
木材の性質
- 木材に荷重が継続して作用すると、時間の経過に伴って変形が増大するクリープ現象が生じる☆☆☆
- 木材の真比重(空隙以外の比重)は、樹種によらずほぼ一定であり、樹種によって比重が異なるのは木材中の空隙率の違いによるものである☆☆☆☆
- 木材の耐力性能を低下させる欠点として、節、目切れ(材の表面で繊維が切れている状態)がある。
- 木材を過熱した場合、約260℃に達すると引火し、約450℃に達すると自然発火する。
- 木材の熱伝導率は、鋼材の熱伝導率に比べて小さい。
- 木材の強度は、曲げヤング係数の値が大きくなると高くなる。
含水率
施工後直ちに大きな荷重を受ける部材に使用される構造用製材については、平均含水率が20%以下のものが望ましい。
繊維飽和点
結合水が細胞壁内に満たされている状態(30%)☆☆☆
※「気乾状態」と入れ替えて出題されがちなので注意!
▶繊維飽和点以下の場合
- 含水率の低下に伴って、強度は高くなる☆
- 膨張・収縮は含水率に比例する☆
▶繊維飽和点以上の場合
- 強度はほぼ一定になる☆☆☆☆☆☆
気乾含水率
木材を通常の大気中に放置して、乾燥した状態(気乾状態)のときの含水率。
気乾状態☆☆☆
木材中の結合水と待機中の湿度が平衡状態に達した状態。
※「繊維飽和点」と入れ替えて出題されがちなので注意!
許容応力度☆☆☆☆☆☆
木材の繊維方向の材料強度
曲げ>圧縮>引張り>せん断
⇒ 木材の繊維方向の許容応力度は、「せん断」より「引張り」のほうが大きい。
乾燥収縮率☆☆☆☆☆☆☆☆
接線方向>半径方向>繊維方向
⇒ 木材の乾燥収縮率は、繊維方向より年輪の接線方向の方が大きい。
⇒ 木材(心持ち材)の収縮率が接線方向と半径方向とで大きく異なることが、乾燥割れの原因の一つである。
腐朽・蟻害
- 木材の腐朽菌は、「酸素・温度・水分・栄養素」の全ての条件が満たされた環境下でなければ繁殖しない☆
⇒ 水中に没している木材は、空気が供給されないため、腐朽しにくい☆☆
⇒ 木杭は、腐朽を避けるため、常水面下に放置する☆ - 木材は、紫外線を吸収すると、木材成分の分解を引き起こし劣化する。
- ACQ(鋼・アルキルアンモニウム化合物)は、木材の防腐処理のほか、防蟻処理にも有効な薬剤である。
- 耐蟻性の低い木材には、「あかまつ」「べいつが」等がある☆
- 対腐朽性の高い木材には、「くり」「ひば」等がある
木質系材料
構造用集成材や合板は、繊維方向、積層方向等によって強度性能上の異方性を有している☆☆☆
普通合板
家具、内装に使用される。
耐力壁の面材としては使用できない。
構造用合板
耐力壁の面材として使用される。
単板積層材(LVL)☆☆☆☆
厚さが3㎜程度の単板を繊維方向が平行となるようにして積層接着したもの。
直交集成板(CLT)☆
挽板を幅方向に並べたものを繊維方向が直交するように積層接着したもの。
パーティクルボード☆☆☆☆
木材の小片(チップ)と接着剤を加えて、加熱圧縮成形したボード。
用途:壁や床の下地
※「インシュレーションボード」と入れ替えて出題されがちなので注意!
繊維板(ファイバーボード)
主に木材などの植物繊維を接着剤と混合して圧縮成形したもの。
インシュレーションボード、MDF、ハードボードに分類される☆☆☆☆
出典:日本繊維板工業会
インシュレーションボード☆☆☆
植物繊維を過熱圧縮成形した板材。
防音、断熱に優れている。
※「パーティクルボード」と入れ替えて出題されがちなので注意!
中質繊維板(MDF)
乾燥繊維に接着剤を添加し、加熱圧縮成形したもの。
材質が均等で表面が平滑。
用途:家具
まとめ
毎年出題されているが、素直な問題が出題されている印象(今のところ)なので、押さえるところを押さえておけば得点できそうな。
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木表:樹皮に近い側
板目材は、乾燥すると、木表側に凹に変形する☆☆☆☆☆ - 許容応力度☆☆☆☆☆☆
曲げ>圧縮>引張り>せん断 - 乾燥収縮率☆☆☆☆☆☆☆☆
接線方向>半径方向>繊維方向 - 木材の腐朽菌は、「酸素・温度・水分・栄養素」の全ての条件が満たされた環境下でなければ繁殖しない☆
⇒ 水中に没している木材は、腐朽しにくい☆☆ - 「繊維飽和点」と「気乾状態」とを入れ替えて出題されがちなので注意!
- 「パーティクルボード」と「インシュレーションボード」とを入れ替えて出題されがちなので注意!