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はめ込み構法(ガラス取付け)
サッシ等の枠に設けた溝にはめ込む、最も一般的な構法。
不定形シーリング材構法
金属・プラスチック・木などのU字形溝または押し縁止め溝にガラスをはめ込む場合に、弾性シーリング材を用いる構法。
止水・排水性が高く、構内の水の滞留を許容しない場合に採用する。
- かかり代は、風圧によりガラスがたわんだ時にガラスが外れないことなどを考慮し、10㎜以上とし、板厚の1.2倍とする☆☆☆
〇 厚さ8㎜のフロート板ガラスのガラス溝のかかり代を10㎜とした

グレイジングガスケット構法
グレイジングガスケットとは、ドアセット及びサッシにガラスなどを取り付ける為の定形シーリング材のこと。
グレイジングチャンネル構法
金属またはプラスチックのU字形溝などにガラスをはめ込む場合に、グレイジングチャンネルを用いる構法。複層ガラスの孔明きグレイジングチャンネルなど特別なものを除いて、一般に止水・排水性が劣る。用途とし、住宅や簡易な集合住宅など。
■グレイジングチャンネル
ガラスをアルミサッシなどにはめ込む際に、ガラスの周囲に巻き付ける「コ」の字型のゴム状のガスケット。
- グレイジングチャンネルをガラスに巻き付ける際は、継目は上辺中央とし、かつ、隙間が生じないようにする☆

グレイジングビート構法
金属またはプラスチックの押縁止め溝などにガラスをはめ込む場合に、グレイジングビードを用いる構法。止水・排水性はあまり高くないため、簡易な建築物に適用が限定される。
・グレイジングビート構法は、厚さ8㎜未満の単板ガラス(板ガラスなど)に使用される。
■グレイジングビート
ガラスをサッシにはめ込み、両側から挟むように押し込んで固定する二つに分かれたグレイジングガスケットの一種。

構造ガスケット構法
Y形ガスケット構法
コンクリート・石などのU字形溝に、Y形の構造ガスケットを介してガラスをはめ込む構法。止水・排水性に劣る。

H形ガスケット構法
金属枠などに、H形のガスケットを用いてガラスをとめる構法。止水・排水性に劣る。

出典:AGC Glass Plaza 建築ガラス・複層ガラスの情報サイト
ガラススクリーン構法(ガラス取付け)
枠を使用せずに、ガラス自体で外壁や間仕切りを構成する構法。
自立型および吊り下げ型ガラススクリーン構法
大きな板ガラスを、上下の枠に取り付けてガラス面を構成、または、ガラスを梁や床スラブから吊り下げる構法。
DPG構法
サッシを設けず、孔を開けたガラス同士を点支持で連結する工法。
DPG:Dot Pointed Glazing(点支持)
SSG構法
シーリング材でガラスをサッシに接着する構法。外部側にサッシ部材がなくてもガラスが留められるため、ガラスの透明性が強調できるが、シーリング材に接着不良が生じた場合、最悪ガラスが外れるという問題を抱えており、現状ほとんど広まっていない。
SSG:Structural Silicone Glazing
ガラスの種類と取付けの留意点
網入り板ガラス
ガラスの中に、金属製の網を入れたガラス。火災が起きた際に、穴が空き延焼するのを防ぐ効果がある。防犯目的のガラスではなく、簡単に割ることが出来るため、防犯効果はない。
- 外部に面する網入り板ガラスは、縦小口(下端から1/4の高さまで)及び下辺小口に防錆テープを用いて防錆処理を行う☆☆☆☆☆
複層ガラス・合わせガラス
2枚のガラスの間にフィルムをはさみ、ガラスが割れても破片が飛び散らないようにしたガラス。防犯ガラスや防音ガラスなど。
- 複数ガラスのかかり代は、赤外線による封着部の劣化を防ぐために15㎜以上とする☆☆☆

ペアガラス(複層ガラス)とは?Low-Eガラスとの違いは?交換にかかる費用をプロが徹底解説 | 『鏡の取付/窓ガラスの交換』よろずリフォーム
熱線反射ガラス
ガラス表面に金属酸化物を焼き付けることで熱線を反射するガラス。高層ビル・オフィスビルでよく使用されており、暑さを軽減し、冷房費用を節約することができる。
- 熱線反射ガラスの清掃は、ガラス表面の反射膜に傷を付けないように、柔らかいゴム、スポンジ等を用いて水洗いとする。
ガラスブロック
内部が中空になったキューブ形の建築用ガラス。通常のガラスより断熱性や遮音性に優れ、壁面や床、天井などに使用される。
- ガラスブロック積みにおいて、平積みの目地幅の寸法は8~15㎜とする☆☆☆☆☆☆☆
- 壁用金属枠の外部に面する下枠の溝には、径6㎜以上の水抜き孔を1.5m間隔に設ける。
- ガラスブロックの仕上がり面積が大きい場合は、6mごとに10mm~20mmの伸縮調整目地を設ける☆
防炎垂れ壁
火災時に煙が天井を伝って拡大するのを防止するため、天井面から50cm程度垂れ下がっている壁のこと。
- 防煙垂れ壁には、網入り板ガラスや線入りガラスを使用する☆
✖ フロート板ガラス(一般的な透明板ガラス)を使用した
その他
- 透明ガラスのはめ込み後は、ガラスに気づかずに人が衝突しないように「ガラス注意」等のラベルを貼る。
- 板ガラスが熱割れしないことを確認のうえ、傷防止などの必要に応じてガラス全体に薄い青色のポリエチレン樹脂系のフィルムを張り付け養生をする。
水抜き孔
ガラスブロックやガラス溝に設けられた、雨水を外部に排出する穴。
- 外部に面して複層ガラスや合わせガラスをはめ込む場合、下端のガラス溝に径6㎜以上の水抜き孔を2か所以上設ける☆☆☆☆☆☆☆☆

出典:■豆知識-553■ 窓の下のレールの構造 | 株式会社建築システム
アルミニウム
- アルミサッシが鋼材やモルタルと接する部分には、塗膜処理を行う☆☆☆
✖ サッシの防護塗膜をはがして付着性を高めた - アルミサッシの仮置きは、たて置きとする☆☆☆
アルミニウム製建具の取付け
- コンクリート躯体への取付けは、くさびなどで仮留めし、建具側のアンカーとあらかじめコンクリートに埋め込んだ溶接下地金物とを溶接して固定し本取付けを行う。
- 水掛り部分におけるアルミニウム製建具枠の取付けは、仮止め用のくさびを取り除き、モルタルを充填する☆☆☆
- 鉄骨部分に取り付けるアルミサッシ枠まわりのシーリング材の施工に当たって、プライマー及びバックアップ材を用いて、二面接着とする。
- コンクリート躯体(鉄筋コンクリート造)に取り付けるアルミサッシ枠まわりは挙動が少ないので、バックアップ材を省略し、三面接着としてもよい。
- (バルコニー等)FRP系塗膜防水とアルミニウム製建具が取り合う個所は、防水工事を施工した後、建具の取付けを行う。
建具
建具とは戸・障子・ふすまなど、開閉して部屋をしきるもの。
- 木造住宅のバルコニーにおいて、FRP系塗膜防水工事後に建具の取付けを行う。
フラッシュ戸
骨組みの両面に、合板などの面材を接着し、表面を平らに仕上げた戸(ドア)のこと。 フラッシュ(flush)とは「平面の、平らな」などの意味を持つ英語。
- フラッシュ戸の仮置きは平積みとする☆☆☆☆☆☆

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丁番(ちょうばん)
木製建具には、ステンレス銅製の木製建具用丁番を使用する。
木製建具高さによる丁番の枚数
- 2m未満 ⇒ 丁番2枚☆
- 2m以上2.4m以下 ⇒ 丁番3枚☆☆☆☆☆☆

室内に用いる木製建具材の加工・組立て時の含水率(質量百分率)
天然乾燥:18%以下
人工乾燥:15%以下
鋼製建具の充填用モルタルの調合
容積比でセメント1:砂3
保管・仮置き
アルミサッシ ⇒ たて置き
フラッシュ戸 ⇒ 平積み
障子・ふすま ⇒ 種類別に立てかけ
まとめ
構法については詳しく出題されることはないので、こんな感じなんだくらいでいいはず。内装工事との組み合わせで出題されることも多い。アルミサッシとフラッシュ戸の仮置きについても他の分野としても出題されるので押さえておくこと。
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外部に面する網入り板ガラスは、縦小口(下端から1/4の高さまで)及び下辺小口に防錆テープを用いて防錆処理を行う
- 外部に面して複層ガラスや合わせガラスをはめ込む場合、下端のガラス溝に径6㎜以上の水抜き孔を2箇所以上設ける
- ガラスブロック積みにおいて、平積みの目地幅の寸法は8~15㎜とする。
- かかり代は、風圧によりガラスがたわんだ時にガラスが外れないことなどを考慮し、10㎜以上とし、板厚の1.2倍
- アルミサッシが鋼材やモルタルと接する部分には、塗膜処理を行う
- アルミサッシの仮置きは、たて置き
- フラッシュ戸の仮置きは、平積み
- 高さが2m以上の木製の開き戸には、ステンレス銅製の木製建具用丁番を3枚使用する

