独学で二級建築士資格取得を目指す! -地盤・基礎-
地盤
時代区分と地盤
時代区分 | 地盤 | 強度 |
古い ⇕ |
第三紀層 | 非常に良好 |
洪積層 | 良好 | |
沖積層 | 軟弱 |
⇒ 沖積層は、支持基盤として安定している洪積層に比べて、支持力不足や地盤沈下が生じやすい☆☆
地盤の長期許容応力度の大小関係☆☆☆☆☆
岩盤 | 1,000kN/㎡ |
密実な砂質地盤 | 200kN/㎡ |
堅い粘土質地盤 | 100kN/㎡ |
粘土質地盤 | 20kN/㎡ |
岩盤>密実な砂質地盤>粘土質地盤
堅い粘土質地盤は、密実な砂質地盤に比べて許容応力が小さい。
- 標準貫入試験によるN値が同じでも、砂質土と粘土質は長期許容応力度が異なる☆
⇒ N値が同じ場合、一般に、砂質地盤より粘土質地盤の方が長期許容応力度は大きい。
土粒子の大小関係☆
砂 | 0.075~2㎜ |
シルト | 0.075~0.005mm |
粘土 | 0.005~0.001mm |
砂>シルト>粘土
土圧
地盤内における土による圧力。
「主働土圧」、「受働土圧」、「静止土圧」がある。
(受働土圧 > 静止土圧 > 主働土圧)
土圧=(制止土圧係数)×土の単位体積重量×地表からの深さ
⇒ 土の単位体積重量が小さければ、地下外壁に作用する土圧も小さくなる☆
主働土圧
壁が土から離れる側に移動したときの土圧(土が主として壁を押す)
受動土圧
壁が土に向かって移動したときの土圧(土が壁から受ける)
静止土圧☆
壁が静止状態(壁の変位が0)における壁に作用する土圧。
- 地下外壁に作用する土圧を静止土圧として算定する場合の静止土圧係数は、砂質土・粘性土とも、0.5程度とする。
地下外壁
片面が直接地盤に接し、その地盤からの土圧、水圧が面外方向に作用する壁体。
- 地下水位面より下にある地下外壁には、土圧と水圧の両方が作用する。
- 地下外壁に地下水が接する場合、地下水位が高いほど、地下外壁に作用する圧力は大きくなる☆
地盤改良☆
地盤の「強度の増大」、「沈下の抑制」「止水」等に必要な土の性質の改善を目的として、土に、締固め、脱水、固結、置換等の処理を施すこと。
沈下
即時沈下
載荷とほぼ同時に短時間に生じる基礎の沈下。
密着沈下
長時間の圧力によって徐々に生じる沈下。
液状化(砂質土)☆☆☆☆☆☆☆
砂質土において、水で飽和した砂が地震動の作用(振動・衝撃等)による間隙水圧の上昇によってせん断抵抗力が失われる現象。
⇒ 地下水位が高いと、液状化しやすい
⇒ 粘土主体の地層では液状化は生じない。
液状化の判定が必要な土層
地表面から20m程度以内の深さの沖積層(砂質土) かつ、
細粒分含有率が35%以下の土層の場合
細粒分含有率(Fc)
0.075mmのふるいを通過した土粒子の通過質量が、全土粒子の質量に占める割合。
細粒分含有率が低い ⇒ 土粒子が大きい ⇒ 砂質土
ボイリング(砂質土)☆☆☆☆☆
砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象。
ヒービング(粘性土)☆☆☆
周囲の地盤が回り込んで根切り底面がふくれ上がる現象。
圧密(粘性土)☆☆☆☆☆
透水性の低い粘性土が、荷重の作用により、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象。
基礎
出典:宮崎県:耐震
併用基礎(してはダメ!)☆
同一の建物において、異なる構造方法による基礎を併用してはいけない。
(「直接基礎と杭基礎」、「支持杭と摩擦杭」など)
直接基礎
基礎スラブからの荷重を直接地盤に伝える形式の基礎☆
基礎に直接作用する荷重は、固定荷重、積載荷重、地震荷重、水圧、土圧を考慮する。
⇒ 基礎スラブ上部の土被りの重量も考慮する☆
「べた基礎」と「フーチング基礎」に大別される。
- 基礎は、土台または柱脚と構造耐力上有効に配置されたアンカーボルトなどによって緊結する。
- 基礎は、建築物の水平力(地震力や風圧力)を受けた場合に横移動・浮き上がりをしない根入れ深さを確保する必要がある。
- 直接基礎に土圧等の水平力が作用する場合は、基礎のすべりに対する検討を行う。
直接基礎の鉛直支持力の算定方法☆
- 支持力式
- 平板載荷試験
不同沈下
建物が不揃いに沈下を起こすこと。
基礎底面の位置(根入れ深さ)
地盤の支持力は、基礎底面の位置(根入れ深さ)が深いほど大きくなる☆☆☆
地盤が凍結する地域における基礎底面の位置(根入れ深さ)は、地盤の凍結する深さよりも深くする☆
直接基礎の底盤の位置は、支持地盤以下とし、かつ表土層以下で土の含水変化・凍結のおそれの少ない深さとする。
⇒ 直接基礎の底盤は、地盤の凍結する深さよりも深くしておく☆☆☆
フーチング基礎
フーチングによって上部構造からの荷重を支持する基礎。
独立基礎、複合基礎、連続基礎の3種類がある☆
独立基礎
独立基礎は、布基礎やべた基礎に比べて、不同沈下の抑制に不利となる。
連続基礎(布基礎)
布基礎は、以下の全ての場合、無筋コンクリート造にできる。
- 地盤の長期許容応力度が70kN/㎡以上
- 密実な砂質地盤、不同沈下等の生ずる恐れのない地盤にある
- 基礎に損傷を生ずるおそれがない
複合基礎
隣接する柱間隔が狭い場合などに用いられる。
出展:LIXIL|リフォーム|リフォーム用語集|工法・構造|基礎|複合基礎とは
基礎梁
独立基礎を繋ぐ地中の梁。
基礎梁の剛性を大きくすることは、不同沈下の影響を減少させるために有効である☆☆☆
基礎梁に点検等の目的で人通口を設ける場合、上部構造の大きな開口の下部となる位置はできるだけ避ける。
鉄筋コンクリート造の基礎には、換気孔、点検口、人通口などを設け、断面欠損の度合いに応じて鉄筋で補強を行う。
杭基礎
杭基礎は、地震時においても上部構造を安全に支持するために、上部構造と同等又はそれ以上の耐震性能を確保すべきである。
杭を複数本設置する場合、杭間隔を密にするほうが不利となる。
木杭を使用する場合には、腐朽防止のため、上水面以深に確実に配置する。
支持杭の許容支持力算出に関係するもの
- 杭先端地盤の許容応力度
- 杭の周長
- 杭周辺の摩擦力
- 杭先端の有効断面積
×基礎ぐいの打込み用おもりの有効自重
負の摩擦力☆☆☆☆☆
軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することにより、杭の周面に下向きに作用する摩擦力。
- 杭基礎において、根入れの深さが2m以上の場合、基礎スラブ底面における地震による水平力を低減することができる☆
- 建物の基礎の構造は、地盤の長期許容応力度が20kN/㎡未満の場合は、基礎杭を用いた構造を採用する。
まとめ
一部「建築施工」と共通するところもあるので、理解しやすいところではありますよね。
-
【地盤の長期許容応力度の大小関係】☆☆☆☆☆☆
岩盤>密実な砂質地盤>粘土質地盤 - 【液状化(砂質土)】☆☆☆☆☆☆☆
砂質土において、水で飽和した砂が地震動の作用(振動・衝撃等)による間隙水圧の上昇によってせん断抵抗力が失われる現象。
⇒ 粘土主体の地層では液状化は生じない。 -
【ボイリング(砂質土)】☆☆☆☆☆
砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象。 - 【ヒービング(粘性土)】☆☆☆
周囲の地盤が回り込んで根切り底面がふくれ上がる現象。 - 【圧密(粘性土)】☆☆☆☆☆
透水性の低い粘性土が、荷重の作用により、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象。 - 【負の摩擦力】☆☆☆☆☆
軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することにより、杭の周面に下向きに作用する摩擦力。