アスファルト防水(熱工法)
約260℃に熱したアスファルトで、アスファルトルーフィング、ストレッチルーフィングを張り付ける工法。
下地形状と下地面の仕上げ
- 防水下地となるコンクリートの入隅の形状は、通りよく45°の面取りとする。
- 砂付あなあきルーフィングを用いる絶縁工法の立上り部は、砂付あなあきルーフィングを省略した。
ルーフィング類の張付け
増張り
- ルーフドレン回りの増張りは、最下層に300㎜以上のストレッチルーフィングを用い、ドレンのつばに100mm程度張り掛ける。
平場
- 平場部のストレッチルーフィングの流し張りは、ルーフィングの両端からアスファルトがはみ出すように押し付けながら張り付ける。
- ルーフィング類は、継目の位置が上下層で同一箇所にならないようにして、水下側から張り付ける☆
- 平場部のアスファルトルーフィングの重ね幅は、長手及び幅方向とも100mm以上とした。
立上り部分
平場のルーフィングを張り付けた後、立上りのルーフィングを重ね幅150mmで張り重ねる。
保護・仕上げ
- 保護コンクリートの伸縮調整目地の深さは、保護コンクリートの下面までとする。
×保護コンクリートの伸縮調整目地の深さは、保護コンクリートの厚さの1/2とした。 - 保護コンクリートの動きによる立上り防水層の損傷を防止するため、成形緩衝材を立上り入隅部に取り付ける。
- 保護コンクリートに設ける伸縮調整目地は、中間部の縦横間隔を3m程度とする。
- 保護コンクリートに入れる溶接金網(ひび割れ防止)は、保護コンクリートの厚さのほぼ中央に設置した。
保護コンクリート
屋上防水層を直射日光や外力から保護するため、また歩行可能にするため、防水層の上に設けるコンクリート。
改質アスファルトシート防水(常温工法、トーチ工法)
合成繊維不織布に改質アスファルトを含侵させた改質アスファルトルーフィングシートを常温工法やトーチ工法で張り付ける工法。
シート防水
加硫ゴムや塩ビ樹脂を原料としたルーフィングシートを張り付ける工法。
プライマーの塗布
プライマーを塗布する範囲は、その日にシートを張り付ける範囲とする。
シートの張付け
下地への接着剤の塗布は、プライマーの乾燥後に行う。
シートは、接着剤を塗布後、オープンタイム(放置時間)を確認してから張り付ける。
×シートは、接着剤を塗布後、オープンタイムを置かずに張り付けた。
防水層の立上り末端部は、押え金物で固定し、不定形シール材を用いて処理する。
加硫ゴム系シート
接着剤でしっかり接着できにくく、はがれやすい。
美観と保護を目的に仕上げ塗料塗りを行う(塩ビ系シートでは行わない)
塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート
接着剤を塗布せずに、溶剤溶着または熱融着させるので、しっかり接合できる。
プライマーは、コンクリート下地には使用せず、ALCパネル下地のみに塗布する。
×プライマーは、ALCパネル下地であったため、塗布しなかった。
ルーフィングシートの張付けは、エポキシ樹脂系接着剤を用い、下地面のみに塗布した。
ルーフィングシート相互の接合部は、重ね面を溶剤溶着とし、端部は液状シール材を用いて処理する。
加硫ゴム系シート | クロロプレンゴム系接着剤 | 下地面とシート裏面に塗布 |
塩ビ系シート | ニトリルゴム系接着剤 | 下地面とシート裏面に塗布 |
エポキシ樹脂系、 ウレタン樹脂系接着剤 |
下地面のみに塗布 |
平場での シートの接合幅 |
加硫ゴム系シート | 100㎜以上 |
塩ビ系シート | 40㎜以上 | |
平場と立上りの シートの接合幅 |
加硫ゴム系シート | 150㎜以上 |
塩ビ系シート | 40㎜以上 |
⇒加硫ゴム系シートの方がはがれやすいのでしっかり重ねて貼る!
塗膜防水(ウレタンゴム系塗膜防水)
1プライマーの塗布
はけ、ゴムべら、吹付器具等を使用し、均一に塗布する。
2補強布の張付け
補強布の重ね幅は、50㎜以上とする。
×補強布の張付けは、突付け張りとした。
下地コンクリートの入隅は直角に、出隅は破断しないように通りよく面取りをする。
×下地コンクリートの入隅を丸面、出隅を直角に仕上げた。
3通気緩衝シートの張付け
通気緩衝シートは接着剤を塗布し、シート相互を突付け張りをする。
4防水材の塗布
仕上塗料は、回転の遅い撹拌機を使って十分練り混ぜ、刷毛とローラー刷毛を用いてむらなく塗布する。
防水層の施工は、立上り部、平場部の順に施工する。
出隅、入隅の仕上げ
出隅 | 通りよく面取り |
入隅 | アスファルト防水⇒通りよく面取り それ以外⇒直角 |
×ウレタンゴム系塗膜防水の場合、下地コンクリートの出隅及び入隅とも、直角に仕上げた。
⇒出隅は通りよく面取り
シーリング工事
バックアップ材とボンドブレーカー
どちらも目地底にシーリング材を接着させないため(3面接着の回避)、目地底に設ける副資材☆
バックアップ材は目地の深さを調節できる。
- 目地深さが所定の寸法より深い場合、バックアップ材を用いて所定の目地深さになるように調整する。
×目地深さがシーリング材の寸法より深かったため、ボンドブレーカーを用いて充填深さを調整した。 - 裏面に粘着剤が付いているバックアップ材は、目地幅より1~2mm小さい幅のものを使用する☆
×裏面に接着剤が付いているバックアップ材は、目地幅より大きい幅のものとした。
ワーキングジョイントとノンワーキングジョイント
ワーキングジョイント
サンディングの目地や、ALCパネル、ガラスと建具枠のすき間のように、被着体の動きが予想される箇所。
ワーキングジョイントでは、2面接着で施工する。
ノンワーキングジョイント
コンクリートの打ち継ぎ目地やひび割れ誘発目地、鉄筋コンクリート造外壁の建具枠回りのような目地幅の伸縮が小さい箇所。
ノンワーキングジョイントでは、3面接着で施工する☆
コンクリートの目地等のノンワーキングジョイントは、シーリング材の充填深さの最小値を10mmとする。
シーリングの工程
① 被着体の清掃
② パックアップ材(ボンドブレーカー)を装鎮する
③ マスキングテープ張り
④ プライマーを塗布
⑤ シーリング材充鎮
⑥ へら仕上げ
⑦ マスキングテープを直ちに除去する☆
⑧ 目地周辺を清掃し養生
- シーリング材の充填は、プライマー塗布後、30分以上経過し、6時間以内に作業を完了する。
×プライマーの塗布後、1日経過してからシーリング材を充填した。 - マスキングテープは、シーリング材のへら仕上げ終了後、直ちに取り除く。
- 充填箇所以外の部分に付着したシリコーン系シーリング材は、硬化後に除去した。
- シーリング材の硬化状態は指触で、接着状態はへらで押えて確認した。
- コンクリート打継目地のシーリング目地幅は、20 mmとする。
シーリングの充鎮
- 目地への打始めは、目地の交差部あるいはコーナー部より開始する。
- シーリング材の打継ぎは、目地の交差部及び角部を避け、そぎ継ぎとした。
- シーリングの打継ぎは先に充填した箇所が硬化してから行う。
×異種シーリング材を打ち継ぐため、先打ちシーリング材が硬化しないうちに、後打ちシーリング材を施工した。
ポイント
バックアップ材とボンドブレーカーの違いをチェック!
参考テキスト
写真、イラストが多く、僕的には非常にわかりやすいオススメの一冊です。