- 用語
- コンクリートポンプ工法
- 打込み
- 練り混ぜ開始から打込み終了までの時間☆☆☆☆☆☆
- パラペット・ひさし・片持ち形式のバルコニーの打込み(打継ぎ禁止!)
- かぶり厚さの保持
- 打継ぎ
- 締固め
- 養生
- 施工不良の確認
- 補修、仕上がり
- 強度試験
- まとめ
用語
フレッシュコンクリート
まだ固まっていないコンクリート
レディーミクストコンクリート
工場で製造したコンクリート。
- 2つ以上の工場で製造されたレディーミクストコンクリートは、同一打込み工区に打込まない☆
⇒ 2つの工場で製造されたものを使用する場合は、同一打込み区画に打ち込まないように打込み区画を分ける。 - レディーミクストコンクリートの受け入れに当たって、各運搬車の納入書により、コンクリートの種類、呼び強度、指定スランプ等が、発注した条件に適合しているか確認する。
- レディーミクストコンクリートは荷卸し直前にトラックアジテータのドラムを高速回転させ、コンクリートを均一にしてから排出する☆
暑中コンクリート
日平均気温の平年値が25℃を超える期間のコンクリート工事において、荷卸し時のコンクリートの温度は、35℃以下とする☆
捨てコンクリート
基礎を支えたり、地盤を強化するために行うものではなく、砂利・砂地業等を行った後に、厚さ5~10cm程度のコンクリートを平らに敷き均す作業。
基礎の墨出し、配筋、型枠の建込みをするために、表面を平らに仕上げるために行う☆☆☆☆☆
地盤を強化するためのものではない!
- 設計基準強度:18N/㎟
- スランプ:15㎝又は18㎝
- 粗骨材の最大寸法:25㎜以下
スランプ
高さ300mmのスランプコーンにコンクリートを詰め、引き上げた後に中身がどのくらい下がったかによりコンクリートの流動性(柔らかさ)を図る、その下がり量がスランプ。
- スランプが大きい ⇒ コンクリートが柔らかい
- スランプが小さい ⇒ コンクリートが固い(固練り)
コンクリートのひび割れ防止にはスランプを小さくする。
⇒ 柔らかい ⇒ 単位水量が多い ⇒ 乾燥収縮が大きい ⇒ ひび割れが起きやすい
スランプの許容差
スランプが「8~18cm」の指定がある場合の許容差は「±2.5㎝」
単位水量
コンクリートの単位水量は所要の品質が得られる範囲内において、できるだけ小さくする☆☆☆
空気量
荷卸し時点のコンクリートにおいて、空気量の許容範囲は±1.5%とする☆☆☆
気乾単位容積質量
乾燥している状態の単位容積あたりの質量。
普通コンクリートの気乾単位容積質量は2.1t/㎥を超え2.5t/㎥以下とする☆
AE減水剤
コンクリート中に微小な気泡を生成することで、コンクリートの耐久性や凍結防止性を向上させる目的で使用される添加剤。(Air Entraining:気泡形成)
所要のスランプを得るために必要な単位水量を減少させ、コンクリートのワーカビリティを改善する。
構造体強度補正値
「標準養生(20℃水中養生)の供試体」と「構造体コンクリート」との強度の差を補うための補正。
構造体強度補正値は、「セメントの種類」及び「コンクリートの打込みから材齢28日までの予想平均気温」に応じて定める。
品質標準強度
構造物及び部材の要求品質を得るために必要とされるコンクリートの圧縮強度。
「設計標準強度」と「耐久設計強度」のいずれか大きい方の値とする。
コンクリートポンプ工法
コンクリートを打設する際にコンクリートポンプを使用し打設箇所まで圧送し、打設を行う工法。
- 軽量コンクリートに用いる人工軽量骨材については、郵送によってスランプの低下などが生じないように、あらかじめ十分に吸水させたものを用いる☆☆☆
- コンクリートの計画調合は、調合強度等について所定の品質が得られることを試し練りによって確認したうえで定める。
圧送
ポンプの圧力によりコンクリートを型に流し込む作業。
圧送されたコンクリートで破棄するもの
- 圧送中に閉塞したコンクリート
- 圧送途中に著しく変質した部分
輸送管の径
- 粗骨材の最大寸法20~25㎜
⇒ 郵送間の呼び寸法は100A以上 - 粗骨材の最大寸法40㎜
⇒ 郵送間の呼び寸法は125A以上
打込み
- コンクリートを打込む際は「横流し」はできるだけ避け、目的の位置に近づけて打込む☆
- ポンプによる打込みは、遠方から手前に後退しながら行う。
×前に進みながら行った - コンクリートの打込み速度は、コンクリートのワーカビリティー及び打込み場所の施工条件などに応じ、良好な締固めができる範囲とする。
✖ コンクリートの打込み速度を速くした ⇒ ひび割れの原因になる - コンクリートポンプによる圧送において、スラブのコンクリート打込みは、輸送管の振動により、背筋に有害な影響を与えないように、支持台を使用して輸送管を保持する。
- 片持ち形式のバルコニーにおいて、跳出し部に打継ぎを設けず、これを支持する構造体部分と一緒にコンクリートを打ち込む。
- コンクリートの打ち込み中において、スラブ筋の跳ね上がりやスペーサーからの脱落が生じた場合は、打ち込みを中断して修正を行い、必要な措置を講じたうえで、打ち込みを再開する。
- コンクリートの打込み当初及び打ち込み中に随時、ワーカビリティーが安定していることを目視により確認する。
打ち込みの順序
壁及び柱 ⇒ 梁 ⇒ スラブ
- 梁の打込みは、壁及び柱のコンクリートの沈みが落ち着いた後に行う☆☆☆
⇒ 連続しては打ち込まない!
降雨、降雪時の打ち込み
コンクリートの打込み中に降雨となり、作業を継続する場合は、打込み箇所を上屋やシートで覆った上で、工事監理者の承諾を受け、打込み作業を継続する。
コンクリートの品質に悪影響を及ぼすおそれのある降雨や降雪が予想される場合は、適切な養生を行ったうえでコンクリートを打ち込む。
縦型シュート
コンクリートを目的の場所へ流し込むための垂直方向に高く達するタイプのシュート。
練り混ぜ開始から打込み終了までの時間☆☆☆☆☆☆
- 25℃以上 - 90分以内
- 25℃未満 - 120分以内
⇒ コンクリートの練り混ぜ開始から打込み終了までの時間は、外気温が28℃の場合、90分以内とする
▶打重ね(打継ぎ)時間の間隔☆☆☆
- 25℃以上 ー 120分以内
- 25℃未満 - 150分以内
パラペット・ひさし・片持ち形式のバルコニーの打込み(打継ぎ禁止!)
パラペットの立上り部分の打込みは、これを支持する構造体部分と一体となるように、連続して行う。(打継ぎは設けない!)☆☆☆☆☆
パラペット
屋上や陸屋根の端部に作成する低い壁
かぶり厚さの保持
スラブ及び梁の底部で、かぶり厚さを確保するためのスペーサーには、防錆処理が行われている鋼製のものを用いる。
打継ぎ
- コンクリートの打継ぎ部の形状については、打継ぎ面が鉄筋に対して直角となるようにする。
- 打継ぎ部の仕切り面においては、せき板を密に隙間なく組み立て、モルタル、セメントペースト等の流出を防ぐ。
- 梁や壁の打継ぎ部は、鉄筋を骨としてメタルラスを張って仕切る。
打継ぎの位置
▶梁及びスラブの鉛直打継ぎ位置(以下のどちらか)☆☆☆☆☆
- スパンの中央付近
- 端から1/4付近
▶柱及び壁の水平打継ぎ位置☆
- 床スラブ、梁の上端
打重ね(打継ぎ)時間の間隔☆☆☆
- 25℃以上 ー 120分以内
- 25℃未満 - 150分以内
コンクリートの打込み過程における打重ね時間の間隔は、外気温が25℃であったので、120分以内を目安とし、先に打ち込まれたコンクリートが再振動可能な時間内とした。
打継ぎ前の処理
☆☆☆コンクリートの打継ぎ面は、
- 新たにコンクリートを打ち込む前に、レイタンスなどを取り除く☆☆☆☆☆
- 散水をして十分に給水させ、湿潤な状態に保つ☆☆☆☆ ✖乾燥
- 散水の水が溜まった場合は取り除く
レイタンス
コンクリートの打込み後、ブリーディングに伴い、内部の微細な粒子が浮上しコンクリート表面に形成する泥状の物質。
締固め
コンクリートに振動を与えることにより、余分な気泡を排除し、砂などの骨材やセメントなどが型枠内で均一化され、コンクリート本来の強度・水密性・耐久性を引き出すこと。
コンクリート棒形振動機
まだ固まっていない状態のコンクリート(生コン)の中に差し込み、振動を与えて気泡の脱泡を行い、コンクリートの強度を高め、固める機械。
出典:コンクリートバイブレーターの特長・選び方を解説 | ビルディマガジン
コンクリート棒形振動機を用いて締め固める場合
- 挿入間隔は、60㎝以下☆☆☆☆
- 加振時間は、コンクリートの表面にペーストが浮き上がるまで☆☆☆☆☆
- コールドジョイントの防止のため、打込み各層ごとに、その下層に振動機の先端が入るようにして加振する☆☆☆☆
- コンクリート棒形振動機は、コンクリート輸送管1系統につき、棒形振動機を2第配置する。
- コンクリート棒形振動機の引抜きは、打ち込んだコンクリートに穴が残らないように、加振しながら徐々に行う☆
タンピング
打設した後に、コンクリート表面をタンパーという道具で繰り返し叩いて、締め固める作業のこと。
コンクリート打込み後、凝結前にコンクリート表面のタンピングを行う☆☆☆
養生
コンクリート打込み後の養生として、コンクリート表面を養生マットやシート等で覆い湿潤に保つ☆
床上での墨出し作業は、コンクリート打込み後、24時間が経過してから、振動を与えないように注意して行う☆☆☆☆☆☆
湿潤養生の期間
普通ポルトランドセメント☆☆☆
- 短期及び標準 - 5日以上
- 長期及び超長期 - 7日以上
その他のセメント(高炉セメントB種等)
- 短期及び標準 - 7日以上
- 長期及び超長期 - 10日以上
高炉セメントB種を用いたコンクリート打ち込みは、最短でも7日間の養生が必要となる。
湿潤養生の開始時期(暑中コンクリート)
日平均気温の平年値が25℃を超える期間のコンクリート工事(暑中コンクリート)において、コンクリート打込み後の湿潤養生の開始時期は、コンクリート上のブリーディング水が消失した時点とする。
寒冷期の養生(寒中コンクリート)
気温が低い場合は、打込み後のコンクリートが凍結しないように保温養生を行う。
初期養生期間(打込み後5日以上)は、コンクリート温度を2℃以下にならないようにする☆☆☆☆☆
コンクリート打込み後の養生期間中に、コンクリートが凍結するおそれのある期間において、初期養生は所定の試験による圧縮強度が5N/㎟以上となるまで行う。
施工不良の確認
せき板を外した後、じゃんか、空洞、コールドジョイント等の有無の確認を行う。
支保工を取り外した後、有害なひび割れ及びたわみなどの有無の確認を行う☆☆☆
じゃんか
打設されたコンクリートの一部に粗骨材が多く集まってできた空隙の多い構造物の不良部分。
コンクリートのジャンカ(豆板)は要補修の欠陥工事です!予防に必要な3つの視点 - フロアエージェント
コールドジョイント
コンクリートの打ち継いだ部分が一体化されずにできる継ぎ目のこと。
補修、仕上がり
せき板の取外し後にジャンカ(豆板)がある場合、不良部分をはつり、水洗い後に、木ごて等で硬練りモルタルを塗り込む☆
コンクリートの仕上がりの平坦さ
塗装仕上げ、壁紙貼り等の場合、壁の長さ3mにつき7㎜以下とする。
強度試験
試験用供試体の採取
1回の強度試験の供試体の個数は、
・調合管理強度管理試験用
・材齢28日用
・型枠外し時期決定用
それぞれ3個とする☆☆☆
コンクリートの強度試験は、打込み日及び打ち込み工区ごと、かつ、コンクリート150㎥以下にほぼ均等に分割した単位ごとに行う☆☆☆
普通コンクリートを用いる強度試験用試料は、荷卸し場所で採取する☆
構造体コンクリートの圧縮強度推定用の供試体は、適切な間隔をあけた3台の運搬車を選び、それぞれ1個ずつ合計3個作製する☆
調合管理強度☆
標準養生(20℃水中養生)の供試体が持つべき、調合の目標とする強度。
調合管理強度の管理試験の判定は、下記の全てを満足して合格とする。
- 1回の試験結果が、調合管理強度の85%以上あること
- 3回の試験結果の平均値が、調合管理強度以上であること
試験用供試体の養生
材齢28日における構造体のコンクリートの強度推定試験用供試体の養生は、工事現場における水中養生または標準養生とする☆☆☆☆
✖気中養生
試験
採取したコア供試体は、載荷面を平滑に処理して、強度試験を行う。
構造体コンクリートの強度推定試験の結果が不合格になった場合、管理者の承諾を受け、構造体コンクリートのコアを採取し、確認のための強度試験を行う☆
まとめ
コンクリート工事は毎年2問ほど出るので押さえておきたいところ。
範囲は広いけど出題傾向は偏っている気がするので、☆がたくさんあるところは押さえておく。それにしてもまとめるのが大変だった。。
- 練り混ぜ開始から打込み終了までの時間 - 90分以内
- 打重ね(打継ぎ)時間の間隔 ー 120分以内
梁及びスラブの打継ぎの位置(以下のどちらか)
- スパンの中央部付近
- 端から1/4付近
コンクリート棒形振動機を用いて締め固める場合
打継ぎ前のコンクリートの打継ぎ面の処理
- 新たにコンクリートを打ち込む前に、レイタンスなどを取り除く
- 散水をして十分に給水させ、湿潤な状態に保つ ✖乾燥
- 散水の水が溜まった場合は取り除く