独学で二級建築士資格取得を目指す! -空気調和設備-
空調方式
定風量単一ダクト方式(CAV)
Constant(一定の) Air Volume
送風温度を変えることにより、温室を制御する。
風量が一定であるので、十分な換気量を定常的に確保しやすい☆
熱負荷特性の異なる部屋におけるそれぞれの負荷変動に対応することができない☆☆☆☆
冷却除湿した空気の際熱を行わない場合、部分負荷時における室内湿度は、設定条件よりも上昇する。
中間期や冬期において、室温よりも低い温度の外気を導入して冷房することができる。
ファンコイルユニットと定風量単一ダクトとを併用した方式に比べて、必要とするダクトスペースが大きくなる☆☆☆☆☆☆☆
変風量単一ダクト方式(VAV)
Variable(変動的) Air Volume
送風量を変えることにより、温室を制御する。
室内負荷の変動に応じて、変風量(VAV)ユニットごとに、吹出し風量を制御することができる。
負荷の減少に比例して送風量を絞ると、必要外気量の確保ができない場合があるため、最小風量の設定など対応が必要となる。
定風量単一ダクト方式(CAV)に比べて
エネルギー消費量を低減することができる☆☆☆☆☆☆
室内の気流分布、空気清浄度を一様に維持することが難しい☆☆☆☆☆☆☆
空調機やダクトサイズを小さくできる☆☆☆☆(熱負荷のピークの同時発生がない場合)
空気熱源マルチパッケージ型空調機方式に比べて
空気搬送エネルギーは高くなる☆
二重ダクト空調方式
冷風と温風の2系統のダクトによる給気を混合させて温度制御を行うので、個別制御性は高いが、エネルギー損失は大きい☆
ファンコイルユニット方式
中央機械室から冷水または温水を供給し温度調整するユニットを各室(室内)に設置し冷暖房を行う。
ユニットごとに風量を調節するため個別制御が容易で、病室やホテルの客室の空調に用いられる☆☆
外壁の室内側の窓下に床置型ファンコイルユニットを設置し、上向きの吹出しとすると、コールドドラフトの防止に有効。
コールドドラフト
冷気が窓に沿って降下すること。
ダクト併用ファンコイルユニット方式
定風量単一ダクト方式に比べて、必要とするダクトスペースが小さくなる☆☆☆☆☆☆☆
ヒートポンプ
大気中などの熱を集めて、室内に放出するシステム。
空調に水は使わない!
空気熱源ヒートポンプ方式
空気中などから熱を集めて、熱エネルギーとして利用する方式。
外気の温度が低くなるほど、暖房能力は低下する☆☆☆☆☆
(暖房能力は、外気温7℃が基準らしい)
空気熱源パッケージ型空調機方式
圧縮機の排熱を利用するヒートポンプ式のパッケージ空調機。
圧縮機の容量制御をインバータにより行う。
空気熱源マルチパッケージ型空調機方式
(空気熱源パッケージ型空調機方式のマルチ型)
一つの屋外ユニットと複数の屋内ユニットとを組み合わせたシステム☆☆☆☆☆☆
×室外機から室内機に冷水を供給して冷房を行う(冷水は関係ない)
個別空調方式は、各階やゾーンごとの単独運転が可能であり、中小規模の事務所などに適している。
VAVに比べ、空気搬送エネルギーが小さい☆
ガスエンジンヒートポンプ
ガスエンジンで駆動するヒートポンプ。
契約電力を低減でき、暖房負荷の大きい寒冷地で使用される。
空調方式(換気)
床吹出し空調方式
通常の天井吹出しよりも冷房時の給気温度を上げる必要がある☆
⇒ 床面に冷気が溜まりやすいため。
夏期に除湿を行う工夫が必要。
置換換気・空調方式(ディスプレイスメント換気・空調方式)
空気の浮力を利用した換気・空調方式。
中央熱源方式
水方式(ファンコイルユニット方式等)の場合は、換気機能を有する設備が別途必要となる☆
(ユニット自体に換気装置がないため)
配管方式
開放回路配管方式
配管系等が空気に開放されている部分がある配管方式。
最下層に蓄燃槽がある場合、密閉回路配管方式に比べてポンプの動力が大きくなる。
密閉回路配管方式
配管系等が空気と隔離されている配管方式。
管内の圧力変動に対処するため、膨張タンクが設置される。
その他設備
冷却塔
冷却水と空気との接触による水の蒸発潜熱により冷却効果を得る☆☆☆☆☆
✖「冷却水に接する空気の温度」と「冷却水の温度」との差
床暖房
室内における上下の温度差が少なくなる☆☆
低温冷風空調システム
冷水を利用して、給気温度を一般的な温度設定に比べ低くし、室内温度との差を大きく設定する。
搬送動力の低減が可能で、空調機やダクトスペースを小さくすることができる☆
同一量の蓄熱をする場合、氷蓄熱方式は、水蓄熱方式に比べて、蓄熱槽の容積を小さくすることができる。
蓄熱槽
地下あるいは地上組立式の水槽に安価な夜間電力を熱の形で蓄える設備。
熱需要が集中する昼間に利用する。
熱源装置
冷水、上記、温水などの熱媒をつくる装置。ボイラ、冷凍機など。
全熱交換器
室内の換気の際に排出する空気が持つ顕熱(けんねつ)と潜熱を回収する装置。
誘引ユニット
空調機で処理した一次空気を噴出する際、室内の空気を誘引し、噴き出す機構をもつもの。
気化式加湿器
一般に、加湿素子を水で濡らし、これに空気を接触させ、空気の持つ顕熱により水を蒸発させて加湿を行う。
ターミナルレヒート方式
ダクトの吹き出し口付近にレヒータ(再熱器)を設け、各室・各ゾーンごとに温度調整を行う。
単一ダクト方式に比べ多くのエネルギーが必要となる☆
冷媒
冷蔵庫やエアコンなど機器の中で、熱を温度の低い所から高い所へ移動させるために使用される流体の総称。
冷媒のノンフロン化に伴い、自然冷媒であるアンモニアや二酸化炭素が空気調和設備の冷凍機の冷媒として用いられている。
まとめ
色んな設備が出てきて、全部仕組みから理解するのは難しいけど、出題はかなり偏っているので、過去複数回出題されたところ(☆が多いところ)を押さえておけばなんとかなる!(と信じる)
- 定風量単一ダクト方式(CAV)、変風量単一ダクト方式(VAV)の比較はとにかくよく出る
- 空気熱源ヒートポンプ方式は温度低下、能力低下
- 冷却塔は「冷却水に接する空気の温度」と「冷却水の温度」との差ではなく蒸発潜熱