型枠工事
コンクリートで建設物を作る際に、コンクリートを流し込む前の型を作る工事。
「型枠」=「せき板」+「支保工」
せき板(せきいた)
コンクリートを固める際に使用する、生コンを受けて形を作る容器(壁)の部分。
支保工(しほこう)
「せき板」が動かないように支える(固定する)もの。
品質管理及び検査
せき板・支保工・締付け金物などの材料の品質管理・検査は、搬入時に行うとともに、型枠の組立て中にも随時行う。
せき板
せき板の種類
合板(コンクリート型枠用合板)
コンクリートパネル(コンパネ)を指すベニヤ板。
せき板として用いるコンクリート型枠用合板の厚さは、12㎜とする☆☆☆☆☆☆☆
木製のせき板(合板)はシートなどを用いて直射日光は避けて保存する☆☆☆☆
材料は、広葉樹、針葉樹、またはこれらを複合したもので、JASに適合するもの。
金属製型枠
金属製型枠パネルは、日本工業規格(JIS)で規定されている鋼製のものを用いる。
捨て型枠
コンクリートの型枠のうち、コンクリートの打設後に解体して回収せず、そのまま埋めてしまう型枠のこと。
フラットデッキ(床用型枠に開発された鋼製のデッキプレート)をスラブ用の捨て型枠として用いると、解体作業、支保工が不要なため工期短縮を図ることができる。
せき板の取外し
スラブ下、梁下のせき板は、支保工を取り外した後に、取り外す。
せき板を取り外した後は、コンクリートの湿潤養生を所定の材齢まで行う。
せき板の存置期間(せき板の取り外せる条件)
以下の場合、せき板を取り外すことができる。
- 圧縮強度が5N/㎟☆☆☆☆☆☆
- 20℃以上 ⇒ 4日以上☆☆☆☆☆
- 10℃以上、20℃未満 ⇒ 6日以上☆
⇒ 〇 コンクリートの打込み後5日間の平均気温が20℃以上あったので、圧縮強度試験を行わずにせき板を取り外した
型枠
型枠の加工・組み立て
型枠は、作業荷重、コンクリートの自重及び側圧、打込み時の振動及び衝撃、水平荷重等の外力に耐えられるように設計し、組み立てる。
型枠は、足場、やり方 等の仮設物と連結させてはいけない☆☆☆☆
⇒ ×型枠は、その剛性を確保するために、足場と連結させた
型枠は、垂直せき板を取り外した後に水平せき板を外せるように組み立てる。
⇒ 側板を底板より先に解体するため
コンクリートに打ち込む「ボックス」、「スリーブ」、「埋め込み金物」等は、位置を正確に出し、動かないように型枠に固定する☆
支柱の組み立て
上下階の支柱は、平面上において同一位置となるように、垂直に立てる☆
支柱は、コンクリート施工時の水平荷重に倒壊、浮き上がり、ねじれなどが生じないよう、水平つなぎ材、筋かい材・控え鋼などにより補強する。
地盤上に支柱を立てる場合は、支柱がコンクリートの打込み中や打込み後に沈下しないよう、地盤を十分に固めるとともに、支柱下に剛性のある板を敷く。
パイプサポート
スラブ・梁等の型枠及びコンクリート重量等を支える支柱。上下2本の鋼管(丸)を組み合わせ、長さの調整が自由に出来る様にしたもの。
- 支柱として用いるパイプサポートは2本継ぎまで☆☆☆
⇒ 3本以上継いで用いてはならない - 2本のパイプサポートを繋ぐ場合、4本以上のボルト又は専用の金具を用いる。
支柱にパイプサポートを用いる場合
高さが3.5mを超えるときは以下の2つを満たすこと☆
- 高さ2m以内ごとに水平つなぎを二方向に設ける
- 水平つなぎの変位を防止する
パイプサポート - (支保工|パイプサポート):リーラック機材株式会社-トップクラスの仮設機材を提供する-
柱の型枠下部の掃除口
型枠組立て時には柱の型枠下部に掃除口を設ける☆☆☆☆☆
スリーブ
設備配管の貫通孔を設ける円筒、角筒上の管。
鋼管、硬質ポリ塩化ビニル管等が用いられる。
柱及び梁以外の個所において、開口補強が不要で、チューブの径が200㎝以下であれば、紙チューブを使用してもよい。
⇒ 柱及び梁で、配管用スリーブに紙チューブを使用してはいけない。
型枠の強度及び剛性の計算☆
コンクリート打込み時の振動・衝撃を考慮したコンクリート施工時の以下を行う。
- 鉛直荷重
- 水平荷重
- コンクリートの側圧
型枠の再使用(転用)
廃棄物の発生を抑制するために、可能な限り、型枠は転用(再使用)する☆
使用後の型枠については、コンクリートに接する面をよく清掃し、締め付けボルト等の貫通孔を修理した後、剥離剤を塗り再利用する☆☆☆
⇒ 剥離剤は、せき板とコンクリートとの付着力を減少させるために塗布する。
型枠取外し時期を決定するためのコンクリート供試体の養生方法 ☆
- 現場水中養生
- 現場封かん養生
支保工
支保工の取り外し(支保工の存置期間)
以下の条件を満たせば、コンクリートの材齢は関係なく支柱などを取り外せる。
スラブ下、梁下の支保工(条件のいずれか)
- 設計基準強度100%以上あることを確認☆☆☆☆☆
- 圧縮強度が12N/㎟以上、かつ、構造計算により安全を確認☆☆
梁下の支保工
- 設計基準強度以上に達し、かつ、構造計算により安全を確認☆☆
片持ち梁下・片持ちスラブ(庇)下
- 設計基準強度100%以上あることを確認
× 圧縮強度が12N/㎟に達した
コンクリートの確認
コンクリートの有害なひび割れ及びたわみの有無は、支保工を取り外した後に確認する。
⇒ 支保工取り外し前では、正しく確認ができないため
工具
コラムクランプ☆
柱型枠の締め付けに用いる帯鉄。
コラム:建築工事における柱のこと
「単管支柱」は関係ない!
ターンバックル(ねじによる引き締め金具)
ロープやワイヤーなどの張力を、本体のねじ部分の回転により調節する装置。
セパレーター(せき板の間隔保持金具)
かぶり厚さを確保するため、向かい合う型枠(コンパネ)の間隔を一定に保つ、壁や柱・梁の側面に使用する金物。
セパレーター(丸セパB型)のコーン穴の処理については、コーンを取り外したのち、防水剤入りモルタルを充填する。
- 丸セパB型:コーンを使用するもの
- 丸セパC型:コーンを使用しないもの
コーン(型枠締付け材)☆
セパレーターの端部で、せき板を支える役目の金物。
コンクリートの表面が打放し仕上げであったので、型枠緊張材(セパレーター)にコーンを使用した。
まとめ
結構過去問を抑えておけば解きやすい印象だった。
☆のところと基本的な用語を覚えておけばなんとかなる!気がする!
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せき板として用いるコンクリート型枠用合板は、特記がない場合は12㎜
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木製のせき板(合板)はシートなどを用いて直射日光は避けて保存する
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20℃以上の場合、4日以上又は圧縮強度5N/㎟以上で、せき板を取り外すことができる。